フォトモザイクアートを作るのは、つまるところ、ひとつの問いを何千回も繰り返すことです。この場所には、どの写真がふさわしいか。手で一枚ずつ画像編集ソフトに置いていってもいいし、専用ソフトやサービスに任せてもいい。下の手順は、どちらでも変わりません。
必要なもの
- 元の絵。 作り直したい写真です。明暗のはっきりした、形の分かりやすい絵がいちばん向いています。肖像、ペット、風景が人気なのも、そのためです。
- タイル用の写真。 グリッドを埋める小さな写真。300枚以上、できれば500枚以上ほしいところ。色や被写体にばらつきがあるほど、仕上がりは良くなります。(詳しくは写真は何枚必要?へ。)
- ソフトか、サービス。 合わせと組み立てをしてくれる何か。
手順
1. 元の絵を選ぶ
どんな写真でも、いい元の絵になるわけではありません。向いているのは、こんな写真です。
- 強いコントラスト。 明暗の差がはっきりしていると、離れたときに絵が読めます。
- すっきりした構図。 ごちゃついた場面より、背景の落ち着いた、被写体ひとつのほうが向きます。
- 十分な解像度。 大きくなくていいので、グリッドをくっきり切れるだけの鮮明さを。
よくある落とし穴は、暗すぎる写真(色の手がかりが足りない)、ごちゃついた背景(モザイクアートが騒がしくなる)、コントラストの低い写真(被写体が浮かび上がらない)です。
2. タイル用の写真をそろえる
タイル用の写真は、素材そのものです。いくつか、心に留めておきたいこと。
- 色のばらつき。 さまざまな色がそろっている必要があります。室内の暖かい光ばかりで撮っていると、青や緑が足りず、空や葉の部分で苦労します。
- 縦横の比率。 たいていの仕組みは、タイルを正方形か4:3などに切りそろえます。端に大事なものが写っていると、切れてしまうことも。
- 量より、質。 ぼけた写真、暗い写真、ほとんど同じ写真は、量は増えても値打ちは足しません。良いソフトなら、重複は自動でよけてくれます。
3. グリッドを決める
グリッドは、モザイクアートのタイルの数を決めます。ここが、いちばん大きな品質の引き換えになります。
| グリッドの大きさ | タイル数 | 細かさ | タイルの見え方 |
|---|---|---|---|
| 小(50x70) | 約3,500 | 低い、印象的 | 一枚が大きくはっきり |
| 中(80x110) | 約8,800 | ほどよい、均整 | 腕を伸ばした距離で見える |
| 大(100x140) | 約14,000 | 高い、離れると写実的 | 近づくと見える |
グリッドが大きいほど元の絵は細かくなりますが、繰り返しを抑えるには、より多くのタイル用写真が要ります。
4. 色合わせ
ここが工程の心臓です。ソフトは区画ごとの色を読み、素材の中からいちばん近いタイルを見つけます。その出来は、道具によって大きく変わります。
- 基本の合わせは、平均のRGB色だけを比べます。速いけれど、のっぺりしがち。区画の中の質感や明るさの偏りを、無視するからです。
- 進んだ合わせは、CIE Lab や CIE94 といった知覚的に均等な色空間を使い、数学的な距離が、目の感じる色の差と揃います。明るさの勾配や質感まで見ることもあります。
- 制約つきの合わせは、その上に決まりを重ねます。タイルが繰り返す上限、同じタイル同士の最小の間隔、隣り合う区画の縁のつながり。
5. 書き出し
どの区画にもタイルが決まったら、モザイクアートを書き出します。ここで効くのが、解像度です。
- 画面で見る: 長辺4,000〜8,000pxもあれば十分。
- ポスター印刷(18×24インチ / A2): タイルを鮮明に出すなら8,000〜12,000px以上。
- 大判(24×36インチ / A1): 12,000px以上を。
印刷解像度では、品質の高いモザイクアートは、軽く1億画素を超えます。

自作か、プロのサービスか
| 自作(無料〜安価ソフト) | プロのサービス | |
|---|---|---|
| 費用 | 無料〜約$30 | $100〜$300以上 |
| 色合わせ | 基本(平均色) | 進んだ(知覚的・多要素) |
| 解像度 | 限られがち | 印刷向き(1億画素以上) |
| タイル処理 | 切り抜きが雑なことも | 賢い切り抜き、重複の整理 |
| オーバーレイ | 弱い合わせを補うため使われがち | ふつう不要 |
| 時間 | 数分 | 数日(人の目視を含む) |
より良い仕上がりのコツ
- 色のばらつきを狙って撮る。 集める前に、元の絵にどんな色が要るか考えてみましょう。夕焼けの肖像なら暖かいオレンジや赤、海辺なら青と白が要ります。
- 「埋め草」の写真も入れる。 単色や質感の写真(草、空、布の寄り)は、目立つ写真を繰り返さずに、均一な面を埋めるのに役立ちます。
- 複数の距離で確かめる。 良いモザイクアートは、離れれば元の絵、近づけば一枚ずつの写真に見えます。片方の距離でしか効かないなら、どこかがおかしい。
- 思うより大きく刷る。 モザイクアートは大きさで生きます。ポスター大なら、全体の絵と細部の両方を味わえます。はがき大では、効き目はまるごと消えます。